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令和8年7月28日に発生した令和8年熊本地震から約2か月が経過した9月29日、防災学術連携体による「令和8年熊本地震・2ヶ月報告会」が開催されました。
防災学術連携体は、防災・減災や災害復興に関する65の学協会によるネットワークです。今回の報告会では、各学協会が実施した緊急調査や研究、救援・支援活動から得られた知見が、4つのセッションに分けて報告されました。報告会の動画はYouTubeで公開されており、各発表資料も防災学術連携体のホームページから閲覧できます。
発表は、地震や地表地震断層の調査から、建築物・地盤・農業水利施設などの被害、衛星やドローンによる観測、災害廃棄物、医療・看護、避難所環境、防災教育まで多岐にわたります。
すべてを視聴すると5時間を超えるため、各発表の開始時刻と概要を示すキーワードを整理しました。関心のあるテーマを探す際の参考としてご活用ください。
【セッション1:令和8年熊本地震について】
地震観測や活断層研究、現地調査の結果から、今回の地震と日奈久断層帯との関係や、地表に現れた断層の分布・変位などが報告されました
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キーワード |
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日本地震学会 「令和8年熊本地震後の日奈久断層帯における地震・DAS観測」
松本 聡(九州大学) 開始 0:11:13
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地震活動と震源分布、光ファイバーを用いたDAS観測、超高密度な地震観測、断層周辺の波形を観測
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日本活断層学会 「平成熊本地震から令和熊本地震:地殻活動と活断層研究」
遠田 晋次(東北大学災害科学国際研究所) 開始 0:24:33
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地殻活動と活断層研究、平成・令和熊本地震を比較、日奈久断層帯の活動、地表地震断層を調査、活断層の活動履歴
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日本地理学会 「2026年熊本地震に伴う地表地震断層の地域的特徴」
熊原 康博(広島大学) 開始 0:38:23
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全長38kmの地表断層を確認、断層を3区間に分類、右横ずれと上下変位を調査、2016年の断層と比較、地点ごとの変位量を整理
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日本応用地質学会 「令和8年熊本地震 地表地震断層の分布と特徴」
大石 博之(西日本技術開発株式会社) 開始 0:52:38
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地表地震断層を現地調査、ノンテクトニック断層を判別、断層の分布図を作成、水平・垂直変位を整理、リニアメントとの距離を比較、道路上の亀裂を確認
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日本第四紀学会 「日奈久断層帯における古地震と地表地震断層(速報)」
吾妻 崇(産業技術総合研究所) 開始 1:06:50
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古地震の活動履歴を紹介、トレンチ調査結果を紹介、過去の断層イベントを整理、最新活動時期を紹介、長期評価の変遷を紹介、30年確率を試算
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質疑・応答 開始 1:20:20
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2016年と2026年の熊本地震の違い、地震前の地震活動と断層破壊の関係、日奈久区間南部・八代海区間の今後
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【セッション2:被害状況と対策について�T】
土木施設、地盤、火災、農業水利施設、建築物について、現地調査などに基づく被害状況が報告されました。地震動による被害だけでなく、地表地震断層、液状化、断水、猛暑などが重なった複合災害としての特徴も取り上げられています。
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キーワード |
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土木学会 「令和8年熊本地震―被災状況と複合災害の特徴」
池内 幸司 (河川情報センター理事長、東京大学名誉教授) 開始 1:33:37
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複合災害の特徴を整理、交通・ライフライン被害、広域断水と猛暑が重なる、耐震補強した橋が機能維持、船舶活用医療を初実施
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地盤工学会 「令和8年熊本地震の地盤災害調査報告」
椋木 俊文(熊本大学) 開始 1:45:55
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断層変位による被害を調査、液状化と噴砂を調査、航空写真で液状化を抽出、埋立地等で液状化を確認、干拓地では発生が比較的少数、対策済み地点の被害を比較
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日本火災学会 「令和8年熊本地震時の地震火災と避難対応」
廣井 悠(東京大学) 開始 1:59:33
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地震火災の発生状況を調査、震度別の出火率を比較、火災現場を現地調査、消火栓等の使用不能を確認、消防水利の確保が課題、防火設備の点検が課題
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農業農村工学会 「令和8年熊本地震による農業水利施設の被害調査報告」
田頭 秀和(農研機構農村工学研究部門) 開始 2:13:20
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農業水利施設を現地調査、防災重点ため池を調査、農業用水路の被害を確認、断層付近の水路が変形、断層付近のボックスカルバートに隙間が生じた、仮設管で通水を確保、ため池堤体の亀裂を確認
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日本建築学会 「令和8年熊本地震による被害調査報告(速報)」
五十田 博(京都大学) 開始 2:26:33
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構造別に建物被害を調査、長周期地震動階級最大の4を観測、免震建物の挙動を調査、耐震補強の効果を確認、非構造部材の被害を調査
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質疑・応答 開始 2:39:38
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断層変位に対するインフラ対策、液状化の発生条件と対策、地震後の防火設備・消火設備の確認、防災重点農業用ため池への対応、断層直上の建築物への対応
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【セッション3:被害状況と対策について�U】
衛星・ドローンなどを用いた被災状況の把握から、災害廃棄物、農村集落、水道まで、災害対応を支える技術や仕組みが報告されました。
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日本航空宇宙学会 「令和8年熊本地震におけるJAXAの対応」
小林 啓二、田口 志穂 (宇宙航空研究開発機構(JAXA)) 開始 2:53:50
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有人機と無人機の運用調整、航空機の位置情報を共有、民間ドローン情報を集約、ALOS-2・4で緊急観測、衛星で地殻変動等を把握、官民衛星の連携を推進
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日本リモートセンシング学会 「衛星・ドローンなどによる緊急観測の状況」
伊東 明彦 開始 3:05:40
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光学衛星で建物被害を判読、SARで地盤変動を解析、航空写真とレーザーを活用、ドローンで被災地を撮影、360度カメラで撮影、複数センサーの連携が課題、目的に応じた機材選定
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廃棄物資源循環学会 「災害廃棄物対応の10年間の変化」
鈴木 慎也・中山 育美(福岡大学・廃棄物3R研究財団) 開始 3:13:13
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災害廃棄物量を推計、仮置場の運営方法を比較、搬入車両の動線を管理、危険物の分別を徹底、仮置場の渋滞が課題、10年間の対応変化を整理
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農村計画学会 「令和8年熊本地震における農村集落の被災状況」
柴田 祐(熊本県立大学) 開始 3:26:33
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農村集落の被害を調査、地形・立地条件を整理、住宅と農業施設が被災、繰り返し被災を確認、生業と住宅の再建
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地域安全学会 「令和8年熊本地震の被害状況と対策―災害時の水から」
平山 修久(名古屋大学減災連携研究センター) 開始 3:40:09
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水道管路被害を翌日に推定、オープンデータで被害推定、耐震管率と被害を検討、井戸の使用不能が課題、応急給水拠点を地図化、給水情報をGISで共有、Google Mapで経路確認、分野間連携の重要性を指摘
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質疑・応答 開始 3:53:30
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衛星・航空機・ドローン活用の課題、災害廃棄物の再生利用と経験の展開、農村と市街地の被害差・農業の担い手、今後の優先課題
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【セッション4:避難・救援・支援活動について】
医療・看護支援、避難所の生活環境、AIを活用した災害対応、防災教育など、被災者の生活と支援活動に関する報告が行われました。
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キーワード |
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日本災害医学会 「熊本地震におけるDMAT等による保健医療福祉支援」
松田 宏樹(国立健康危機管理研究機構 DMAT事務局) 開始 4:11:53
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DMAT等が医療支援、病院避難と搬送を調整、医療・福祉の給水需要を集約、酷暑下の健康被害に対応、災害関連死の防止を検討
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日本災害看護学会 「先遣隊活動と健康的な生活に向けた方策」
宮前 繁・三橋 睦子 (東京科学大学病院・国際医療福祉大学) 開始 4:25:30
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先遣隊が看護ニーズ調査、避難生活の健康を観察、在宅避難者・車中泊者の状況を把握、感染症や熱中症に対応、継続看護の体制を検討、心のケアの必要性を指摘
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空気調和・衛生工学会 「避難所の居住環境は健全か?」
香川 治美(九州産業大学) 開始 4:38:30
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指定避難所となる体育館の既往調査、体育館の温熱環境を調査、空調設置前後を比較、WBGTで暑熱環境を評価、二酸化炭素濃度を測定、換気不足の可能性を確認
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日本自然災害学会 「AIを活用した災害対応支援システムの開発」
沼田 宗純(東京大学生産技術研究所) 開始 4:53:20
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災害対応業務を標準化、AIで対応業務を支援、本部情報を一覧で表示、避難所レイアウトを支援、被災者台帳を一元管理、物資情報のデータ化を提案、ラストワンマイルを検討
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日本安全教育学会 「地震被害からみる防災教育内容の検討」
後藤 健介(大阪教育大学) 開始 5:06:47
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主体的な判断力を育成、危険予知能力を高める、発達段階に応じて教育、ブロック塀被害を検討、建物被害と避難を検討、教員の防災研修を検討
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質疑・応答 開始 5:20:00
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DMATが給水調整を担った理由、災害看護学会の初期調査、学校体育館への空調設置が進んだ理由、防災教育を始める学年、AI災害対応システムの全国展開、災害関連死が少なく見える理由、支援物資のラストワンマイル問題
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今回の報告会では、令和8年熊本地震の発生機構や地表地震断層の特徴に加え、土木・建築施設、農地、水道、医療・福祉、避難生活など、多方面に及んだ被害と対応が報告されました。
中でも、地震による直接的な被害に、断水、猛暑、大雨などが重なったことは、今回の地震の特徴の一つです。施設の耐震化だけでなく、発災後の厳しい気象条件やライフラインの停止も想定し、複数の事象が同時に発生することを前提とした備えが必要であることが、各分野の報告から読み取れます。
また、2016年熊本地震から10年が経過していたことから、過去の震災後に行われた耐震補強や液状化対策、災害廃棄物処理体制の改善などについて、その効果や残された課題を検証する報告も見られました。過去の災害から得た知見が、今回どのように生かされたのかという観点も、報告会を見る上でのポイントになりそうです。
報告会の動画には発表ごとのタイムスタンプが設定され、発表資料も公開されています。まずは関心のあるテーマから視聴し、より詳しい内容を資料で確認してみてはいかがでしょうか。
参考リンク
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