会計検査院は、11月2日に、2011年度決算検査報告を発表しました。
税金の無駄遣いなどの指摘は513件、計約5296億円で、過去最高だった2009年度(約1兆7904億円)に次いで2番目の規模となっています。
指摘は支出面が約5120億円、徴収漏れなど収入面が約176億円。法令違反など不正・不事例があったと判断したのは357件、約191億円で、このうち約61億円が経済産業省に対する指摘でした。
省庁別では、総務省が最多で約743億円。農林水産省約462億円、経産省約390億円、国土交通省約293億円と続きました。
その中で、我々技術者にとって、以下のように注目すべき情報もあります。
@コンサルタント費用を工事契約の中から捻出した。
○○整備局は、コンサルタント業者に詳細設計業務を口頭で委託して、コンサルタント業者は詳細設計業務を完了させたが、22年度の予算ではコンサルタント業者への委託費を確保できなかったとの理由で、23年度の予算で当該委託費を支払うこととして、本体工事について、工事請負人が詳細設計業務を行うこととする虚偽の変更契約書を作成し、検査職員は本件工事では詳細設計業務が実施されていないのに実施されたとする検査調書を作成していた。そして、整備局は、この検査調書に基づくなどして、本件工事では実施されていない詳細設計業務に係る設計委託費を含む請負代金を支払っていた。
よくありそうな話です。適正な価格で推移していれば実質的な問題はないような気がしますが、不明瞭な会計であることは間違いありません。
A河川護岸擁壁の安定計算
○○府と○○県がそれぞれ発注した河川構造物の設計に、構造物に掛かる受働土圧に関するミスがあったと指摘した。同府と同県は指摘を受けて、それぞれを設計した建設コンサルタント会社に補強工事の設計を指示した。
この問題は前年(2010年)の会計検査でも隣県で同様の指摘がされました。護岸擁壁の安定計算で、前面に水叩きや護床ブロックがあることを理由に、受動土圧を考慮していたのです。「解説・河川管理施設等構造令」(財団法人国土技術研究センター編)では、取付擁壁の構造は、河床の洗掘等に対処するために設置される水叩きなどが仮に流失しても、安定である構造とすることとされているため、不安定構造物と指摘されていたのです。今回の検査では前年の検査結果が水平展開されていないことも念頭に調査されたようです。
B下水処理場の整備
国土交通省からの補助を受けて自治体が整備する下水処理場で、稼働実績の乏しい施設が全国で89か所あることがわかりました。人口予測を誤り、施設を造り過ぎたためで、国費257億円が無駄と判定されています。
下水関連の事業認可に影響が出るかもしれません。
参考となる検査結果は以下の通り。(会計検査院ページに直リンク)
○工事の設計が適切でなかったもの(国土交通省 PDF形式:61KB)
○詳細設計の虚偽の変更契約など会計経理が不適正(国土交通省 PDF形式:107KB)
○工事の設計が適切でなかったもの(農林水産省 PDF形式:58KB)